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2005年12月23日

赤い服のチカラー番外編ー

 もうそろそろ「赤い」シリーズも終りにしなくては…。
しかし、これを書き始めていろいろなことを思い出した。
そうそう、あの「赤と黒」の面接には後日談があって、
しばらく経ったあとで聞かされた私は冷や汗、タラタラ・・・

時のアナウンス室長、金子勝彦氏。
(ダイヤモンドサッカーが好きだった人にはおなじみの方ですネ)
「大平くーん、僕はね、ヒヤヒヤだったよ」
「はぁ、何がですか?」
「君がね書類審査の時に送ってきた写真ね~、あれ飲んでる時の写真でしょ」

(大平:どんな写真を送ったか、すっかり忘れている)

「エッ?そ、そうでしたか?そんなまさかぁ~」
「そうだよ、顔赤いし、赤い服来て肩いっぱい出してるし、しかもあれどこ?」

(大平:思い出せない…)
     
「あっー、あっー、飲んでました!飲んでました!しかも海外!海外!」
「やっぱり、あれまずかったよね。僕はね、君みたいな大らかな人にぜひ来てもらいたいと
思ってたんだけど、アノ写真見て反対する役員がいるんじゃないかと思ってねぇ~」
「でもね、面接の君はなかなかマトモだったから。」

ラッキィー!
面接の「君」はまともに見えたんだ!
もしかしたら合格したのは、あの飲んでる写真のおかげ??
いったいどんなヤツが来るのか、役員一同興味津々だったのが、
話してみると意外に普通ネなんて思われたのかもしれない!ラッキィ、ラッキィ。

いやー。うまくいくときは何が幸いするか分りませんなー
ホッホッホッ。

実は金子氏はこんな写真手元にあっても仕方がないといって
当時返してくれた・・・との記憶がある。
ちょっと家の中を捜してみよう。あるといいなー。
「懲りない女」改め当時の「ハチャ目茶な女」はどんなだったのか。

今の上品な私からは想像もつかない・・・きっと。

投稿者 M.Ohira : 14:40

2005年12月14日

赤い服のチカラ④ 快進撃2

名称未設定 1.jpg

「赤い女」改め「懲りない女」…。
今思うとどうしてあんなことが出来たのか・・・?
やはりあれは赤い情熱。

田舎から出てきた娘は、なんだか自信満々だった。受かるとも限らないのに、
結果が出る前から受かることを確信していた気がする。
親でも呆れる私の「根拠なき自信」…ってヤツですね。

中途半端なセミロングをばっさり切ってベリーショートで臨んだ面接。
あの球場を走りまわった経験だけを頼りに
「スポーツキャスターになりたいと思います!」
と言い放った覚えがある。
スポーツの知識なんて全然ないのに、あの時の面接官はよくも真面目に聞いてくださったものだ。

しかし、人間には「勢い」というものがあるらしい。
何の迷いもなく突っ走っている人間は時に幸運を掴むこともある…
「赤い服」と黒いブラウスの女は1次面接突破。
続いて2次面接。
「赤い服」と黒いポロシャツ…。

だいたいよくも面接にポロシャツなんぞ着ていったものだ。
これもスポーツウーマンをアピールしたがための
浅はかな技だったわけであるが、
この迫力に押されたか、2次面接突破!

いよいよ役員面接。

時の社長は、民放連の会長も勤めていた大人物。
しかしそんなこともしらない私は終始リラックスしていた。
そして大勢の役員を前にニコニコ笑っていた記憶がある。
笑いながら、「私は絶対にテレビ東京のアナウンサーになれるのだ」と
思っていた。

スゴイなー。
今だったら間違ってもこんなふうに思えないだろう。
だって控え室には、何十人もの美人のライバルがいっぱいから。

この日。
いつもの金ボタンの赤いジャケットに黒い絹のブラウス。
写真がないのが残念だか、ポロシャツからシルクに変えることで、
一応の敬意を表わしたのだと思う…。
(それにしても絹って、やっぱり普通じゃなかったんだと思う)

さて中川社長。
彼は私にこんな質問をした。

「大平さん、あなたは毎回「赤と黒」の服で来ているね。
いままでの面接ビデオを全部見せてもらったが、なかなか面白いねぇ」
「はぁ。」
(うわっ!知らないうちにビデオ回されてたんだ!)
「ところでね、君。そんなに赤と黒が好きなきみに質問があるんだがね…」
(大平、身構える…)
「えっと、『赤と黒』の作者は誰だったかねぇ?」
「ハイ、スタンダールです」
「おっ、さすがだね」ニタッ。

この質問以外覚えていないのだけれど、この時私は、
「さっすが、キー局の社長さんは質問のセンスがあるな」と妙に感心した記憶がある。
ホントに偉そうでしたネ、私。
どうも済みません。(ペコッ)

そして合格通知!
でもテレビ東京首脳陣は偉かった。
私がスポーツキャスターに向いていないことなど百も承知だったのです。
配属されたのは、朝の情報番組。
どう見てもはったりで生きている私の使い道はそこしかなかったのだと思われます!

そしてここで、映画評論家の水野晴郎さんと巡り合うのです…。
(つづく…)

投稿者 M.Ohira : 18:24

2005年12月03日

赤い服のチカラ③~快進撃 その1~

女.jpg

しつこく「赤い」シリーズ。
 赤い服を着続け、ストレート&ストロングで突っ走ってきた赤い女は、
環境を変えたくなった。
そう「東京」で仕事をしたくなったのです。

思い立ったが吉日!
いざ東京へ。といっても何の足がかりもない。
しかしながらこれはセレンディピティなのか、何なのか、
「幸せな偶然」が重なってテレビ東京のアナウンサー試験を受けるチャンスが巡ってきた。

時はバブル!(この時は田舎から出てきたばかりだったのでよく分からなかったが、
バブルだったからこそ、同期採用7人というスゴイ事ができたんだと思う)
張りきって面接会場に出かけた。

私はもともと行き当たりばったりの性格で、よく熟考せずに
直感で動いてしまうところがある。
(両親はこのことをずーっと危惧していた、ゴメンナサイ)
例えば、アナウンサーとはいえ企業の面接試験にどんな服をきていくかという常識を
考えることもない、ということです。

即座に思ったのは、赤い服を着て行こう!ということ。
赤い服は「私にとって今まで良いことがいっぱいあった」服だから…。
つまりこの時の思考として、相手軸はいっさいなく、
自分軸の「嗜好」や「心地良さ」しか頭になかった。
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さぁ、赤い服を着て神谷町のテレビ東京へLet'go!
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しかも同じ赤でも、目にも鮮やかな「朱赤」と「黒」ブラウスの組み合わせ。
「赤と黒」…。

すごーい。「お水」系のオネーサンだってそんな服着ないよ。
こんな服着た子が面接に着たらどうだろう。
今だからこんなふうにちょっと冷静に述懐できるけれど、
あの時は自信満々の笑みすら浮かべて面接官の前に立っていたに違いない!

恥ずかしい。
しかし20歳台とはそういうものだ。
ここでカッコ悪いことやはみ出したことしなくていつできるのだ!
(でもこれは性格かもしれない、××歳代になった今でも同じ…)

そうして面接されること3回。
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懲りない私は3回とも「赤と黒」の服を着ていくのである。
以後「赤い女」改め「懲りない女」と呼ばれることになる…。

(つづく)
ps.ココログブログ:「色おんなー色おとこ」も更新しました!

投稿者 M.Ohira : 14:39