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2006年03月08日

本発売御礼と再びの「青」

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私にとっての久しぶりの新刊が発売されました。
『お客さまに愛される接し方・話し方』大平雅美:BABジャパン出版局

接客について、実践できる方法をたくさん掲載しました!
人と話すことが何だか苦手・・・と思っている方、
もっと話し上手になりたい方、
ぜひ手にとってくださいね!

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さてさて、再びの「青」
私は大学院で近世から近代の色彩変化について勉強しています。
主に服飾についてをみている訳ですが、
江戸時代の男性は本当に艶っぽかったことが分ります。

前にも書きましたが、私は元々江戸時代に生きていたと勝手に想像しているので、
近世の文献を読むと、
私がそこにいたような気になったりするのです。
例えば、江戸時代の男性で是非会いたい人といえば、
何といっても「山東京伝」!
この才能ある人にタイムマシーンがあったらぜひ会ってみたい・・・
北尾政演として浮世絵師でもあり、戯作者でもあり、
煙管や煙草入れの店主でもあり。
そして自らは確か2度、遊女を妻にしていたりする色男なのであります。

その山東京伝が遊里小説である洒落本などに、
艶っぽい作品を自身が描いた絵とともに多数発表しているのですが、
その記述を読むと江戸中・後期はじめ頃の男性の何とオシャレなこと!

商売上手な男性3人が大川端をそぞろ歩く様子などは、
文字で想像するだけでもウットリするような風情があります。

江戸のおしゃれの醍醐味は、カラーコーディネート。
だいたい当時のお金持ちはキモノを3枚重ねてきていた訳だから、
3色をいかに上手に組み合わせるかで、
「粋」か「野暮」かが決まったのですね。

もともと権力のある男たちは「黒」が好きだった訳だけれども、
寛政頃を過ぎると、「青」の世界にだんだん染まってゆきます。
当時は、黒・青・茶をいかに微妙な配色で組み合わせるかが勝負だったわけです。

まぁ、「青」というよりは「藍」と言った方が良いかもしれませんが、
江戸の庶民文化が花開き、綿織物が発達してくる過程で、
その彩色にいちばん相性は良かったのが、「藍」だったのです。
しかしまぁ、そのバリエーションの多いこと!


さてさて、明治二十三年に来日したラフカディオ・ハーンは、こんなことを言っています。
「青い着物を着て、しじょうニコニコしている小さな人たち~ 一般の人が着ている着物の
地色は紺色が大部分だけれど、その紺色が店屋ののれんの色も支配している…」
とあり、とにかく日本中、青、「藍」だらけだと言っています。

ちょっと何がいいたいか分らなくなってきましたが、
とにかく近世からの爆発的な藍ー紺色の流行は、
DNAレベルで連綿と受け継がれているのではないかと思うわけです。
つまり何がいいたいかと言いますと、
「ちょいモテ」オヤジなどと騒がれ、日本の中高年の男性もすごーく
頑張っていると思うのですが、
近世が好きな私から見ると、
やはり、「紺色」=ネイビーブルーの定番スーツを上手に着こなしている人。
派手ではなく知的にシャツとネクタイとスーツの微妙な配色を創り出している人に
私としてはウットリ見惚れたりする訳です。

投稿者 M.Ohira : 2006年03月08日 09:41