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2006年12月09日

日本伝統芸能 文楽の色

IMG_1335.JPG

 先日、気分転換も兼ねて国立劇場へ人形浄瑠璃文楽の12月公演
「伊達娘恋緋鹿子」「恋女房染分手綱」を見に行きました。
日本の伝統芸能の現状を考えると、そんなに混んでないだろうとの予測のもと、
のんびりと半蔵門へ。
全席指定なので急いでいく必要もなく、時間ぎりぎりに飛び込み。

すると、なんと!満員御礼!!素晴らしい・・・
日本の伝統文化をこんなにも愛する人がいたのかと、
関係者でもないのに何だかうれしくなってしまいました。

外国だとpappet か  marionetteか・・・
確か、マーロン・ブランド主演の映画「sayonara」のなかで
「おお、人形劇か」と言って外国人が喜んで見ていたのを思い出した。
演目は心中もので、恋人の女性はそのシーンで泣いていましたが、
その後の展開で、その女性が本当に心中してしまうお話になっていましたね。
(日本の映画で文楽のシーンはほとんど見たことない・・・)

とまぁ、それはさておき、
今回の文楽は解説付き。
義太夫とは何?人形の使い方はこうだよ!三味線の音色の違い!などを
実際の演者が丁寧に教えてくれるという構成。
基本的に人形は3人で操りますが、手足の動きだけで見事に
女らしく色っぽく振舞えまるものですね。
私などはもっと文楽を見て、その辺の艶を学んだほうがよいくらい・・・

それはさておき、今回は文楽における緋色の扱いについて。
写真でもわかるように、江戸中期は緋色の襦袢全盛期。
舞台衣装でもこの色が効果的に使われています。
写真の母親、重の井の中着の赤と袖の赤、
さらには子供の男の子には、襦袢の赤、股引にも赤が使われていて
「黒・白・赤」が効果的に配色されているのです。
手が動くと共に緋色の動線が残像に残る、まさにアクセントカラーとしての「赤」は
インパクトがありますね。

一方の「伊達娘恋緋鹿子」は緋鹿子という演題からも想像がつくけど、
もちろん緋色の衣装。
それに当時の流行色、浅黄色の組み合わせ。模様は浅黄と言えば麻の葉!
この話は「八百屋お七」といった方がわかりやすいかもしれないですね。
江戸市中の娘がこの衣装を真似したというくらい流行したもので、
こちらは衣装にも若い恋の情念が溢れています。
やぐらに登ってゆくシーンは人形には見えないくらいリアル・・・

さて劇場内。
もちろん、中高年の方が多いのは想定内。
しかしそういったシニア層に混じって20歳代と思える男女の姿が目につきました。
日本の伝統芸能の未来は明るいかもしれない!

マイ・ウォッチによると、いちばん少ないのは私世代。
30-40歳代の男女の姿はごくごく少数。
でも考えればそりゃそうだ!
こんな真昼間に文楽見に行くより働いてるか・・・
と、浮世離れした自分をその日も自覚したのでした。

投稿者 webmaster : 10:40 | コメント (0)