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2007年07月10日

緑とピンクの誘惑

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先月、学会発表で奈良へ行ったときに、偶然蓮池のなかでひとつだけ
花をさかせていたハスがありました。
あまりの美しさにしばし立ち尽くす・・・

そこで思い出したのがもう20年以上前にある人から送られた言葉でした。

 ”美しいハスの花は泥のなかで
 必死に努力していることを忘れるな”

と、いうようなメッセージ。その頃の私は20歳代半ば!
NHKの地方局のアナウンサーの仕事も順調で、
その彼から見ると随分と有頂天に見えたのでしょう。

それ以来、時々に言葉を思い出すことはあったけれど、
実際のハスの花を眼にすることがあまりなかったので、
実感として捉えられることはありませんでした。

あれから何十年、
東大寺や興福寺など観光客が多い奈良で、
遅い午後にひとりで法華寺を訪れた私。

朗読の授業で芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を使っている私は
思わず「ある日のことでございます」と思い出してしまいました。

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清らかな蓮華は深い泥水から立ち上がって咲く。
泥のなかにあって泥に染まらず。
花の命はたったの4日。
1日めの早朝に咲いた花は夜には閉じ、また次の日に咲く。
これを繰り返して4日めの午後にすべての花びらが落ちる。
花の色がいちばん、キレイで香りが濃いのは2日めだということですが、
私が見たハスの花はきっと2日目だったのかな・・・。
薄紅色の花びらは20枚以上もあるのだそうだそうだけれど、
このうすい紅色は幸せを呼ぶ色のように見えた。

そして最近気になっているのが、緑!
いままで当たり前のように存在していた緑の植物、木々、
それがここ最近眼に痛いほどに染み渡る・・・
この感覚はなんだろう。
こういうことを知人に話すと、眼が疲れているのでしょうとか
リラックスしたいんでしょうとか、癒しを求めているのでしょうとか言われるけれど
きっと違う・・・

緑のあまり知られていないメッセージ。
”新しい出発” 

蓮池のピンクと緑は、悠久の奈良において私のココロに深く刻まれたのでした。

投稿者 webmaster : 2007年07月10日 10:06

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