« 2008年12月 | メイン

2009年01月31日

オードゥ シスレー 香水の3つの色

IMG_0008.JPG  IMG_0003.JPG

人間の五感のうち、視覚が80%以上占めることはよく知られています。
だからこそ、私は効果的な色彩を研究しています。
しかし、実際は色彩だけで快不快の要素が決定されるわけではなく、
香りの影響も大きいのではと思っています。
データでは香りの要素、嗅覚はほんの数%しかありません。
しかし、瞬間的に嗅ぎ取る香りの感覚は、
好き嫌いや快不快を瞬時に決定する重要なファクターではないでしょうか。

最近、興味深い香水にめぐり合いました。
それが上記の3つのフレグランス「オードゥ シスレー」です。

これはシプレ系「シプレ・フレッシュネス」をベースにしたフレグランスですが、
シプレとは、”コティ社の「シプレ(1917年)」という香水を筆頭として出来あがった系統で、
主にオークモスのしっとりした香りに柑橘系の香りや、ウッディなパチュリなどを加えて作られた、
上品でフォーマルな香り”だそうです。

シプレのなかで”シプレ・フローラル”は皆さまよくご存知のゲラン”ミツコ”、
濃厚でセンシャルな香りです。
しかしこのシプレ・フレッシュは、濃厚さを抑えた若々しい香りが特徴で、印象が随分違います。

私自身の好みで言えば、
以前は「フローラル系」ばかりでしたので、”ミツコ”を勧められたときには
あまりの濃厚さに即座に却下した覚えがあります、
しかし年齢を重ねて、
現在の好みは、少々官能的な「シプレ系」に移っています。

香りでいえば、
トップノートの第一印象も大切ですが、
やはりミドルノートの香りが重要。
この3つの香りはそれぞれ特徴があり、別々のコンセプトのもとに配合されています。
それでは、色のメッセージとして香りを見てゆきましょう!

●オードゥ シスレー1(黄色)
 カラー:サンシャインイエロー
 黄色の要素いっぱいの香りです。
 キーワードは「みずみずしい喜び」「明るい力強さ」「森の楽園」といったところでしょうか。

 ・トップノート
  オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ピンクベリー

 ・ミドル
  フローラル
  ジャスミン&グリーンティ
  ジェニパーベリー

 ・ベース(ラスト)
  バチュリ&ムスク


●オードゥ シスレー2
 カラー:ブルー
 キーワード:「繊細」「モダン」「透明感」「スパイシー」

●オードゥ シスレー3
 カラー:ルビーレッド
 キーワード:「衝動的」「魅惑」「夢中になる」「刺激的」


まさに色のキーワードと合った素材が調合され、色と香りの絶妙なハーモニーを
醸し出しています。
ナンバー2は、トップにバジルを加えたモダンな香りです。
時間が経つにつれて、シダー&サンダルウッドの上品さが出てきます。
まさに「青」の特徴が出ています。
ゆっくりとその良さが感じ取れるというとこでしょうか。

ナンバー3は、「赤」の情熱的、衝動性が表現されている香りです。
出会ったそのときから、甘い香りに溢れ、喜びがいっぱいで刺激的です。
途中キンモクセイの大胆な香りに誘惑され、ラストは5種類が複雑に絡み合う魅惑的な香りです。

と、3つの色のキーワードと香りを重ねると面白い結果がでました。
ナンバー1を丁寧に記したのは、
私はいちばん好きな香りだからです。

「爽やかに、力強く、エレガントに」

香りと色をキーワードで探ってみるとまた新しい発見があります。
今のあなたを表現するキーワードは何ですか。
魅力的な様々な顔を持つ、しなやかな女性・・・
あなたの好きな香りは何ですか?

投稿者 webmaster : 14:21 | コメント (0)

2009年01月14日

ティンカー・ベルの緑

tb.jpg

ディズニーが贈る夢のアニメ、「ティンカー・ベル」
素敵な映画です。

「生まれたての赤ん坊が初めて笑い声をあげる時、
 また1人小さな妖精が誕生します・・・」

この映画を見ると7つの謎が解けます。
例えば
1.妖精はどうやって生まれるの?
2.妖精にはそれぞれ才能があるの?
3.妖精がキラキラ光っているのはなぜ?
   :
 などなど。

でも、謎解きは映画を観ていただくとして、
ここでは、ティンカー・ベルの「緑」に注目してみます。

この映画には水の妖精や植物の妖精など魅力的な妖精がたくさん登場しますが、
それぞれが特別のタレント(才能)を持っています。
ストーリーはいたって単純ですが、実は若い女性への風刺がちょっと効いた映画です。
子供がこの映画をみると単純に楽しめますが、大人が見ると違う見方ができるのが
さすがにディズニーアニメといったところでしょうか。

一言でいうと「他は己ならず」というメッセージ・・・。
他人の才能をうらやんだり、逆に自分を過信したりするのではなく
与えられた長所を生かすことが大切であるということ、
さらには必ず生かすべき才能がひとつはあるということ、

これに気がつかないと、他人の芝生ばかり気になったり、
見果てぬ夢を追い求めたりすることになる・・・
もっと自分の足元を見ると、妖精のキラキラ粉のように良いところが
輝いているよ、というメッセージ。

映画の冒頭、ティンカー・ベルに何の才能があるかを判定するシーン、
ヒトゴトながらドキドキします。
多くの注目を浴びて
選ばれたタレント(才能)は「もの作り」、
この「もの作り」に、「緑色」のメッセージが隠されています。

ティンカー・ベルの衣装は、ピンクでも青でも黄色でもありません。
緑・・・「もの作り」の妖精です。
この意味を考えてみましょう。

植物の妖精、ロゼッタの色はピンクです。
本来なら植物=緑のイメージですから、
ロゼッタこそが緑の服となりそうですが、この映画では「植物=花」としたことから
エレガントでおしゃれな妖精としてピンクが選ばれています。

では「緑」のほかの意味は?リラックスや安心、安定など良く知ったものもありますが、
他には、
・ものごとの始まり
・好奇心
・新しい旅立ち
・優柔不断
・嫉妬
などの意味もあるのです。

太古の昔、人類は「緑」から出発しました。
さらに「緑」は青と黄色を混ぜた色。これは調和の色であり、迷い考える色でもあります。

こうして考えると、ティンカー・ベルの服の色は「緑」以外には
考えられそうにありません。

緑の葉っぱの隙間から笑っている小さな妖精、ティンカー・ベル、
迷い考え、ちょっと他人をうらやみ落ち込むこともある、
でも最後には自分で解決してゆく「あなた」がそこにいるかもしれません。

私は、”悩み迷い考え自ら行動するティンカー・ベル”が大好きです。


投稿者 webmaster : 13:41 | コメント (0)