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2005年12月14日

赤い服のチカラ④ 快進撃2

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「赤い女」改め「懲りない女」…。
今思うとどうしてあんなことが出来たのか・・・?
やはりあれは赤い情熱。

田舎から出てきた娘は、なんだか自信満々だった。受かるとも限らないのに、
結果が出る前から受かることを確信していた気がする。
親でも呆れる私の「根拠なき自信」…ってヤツですね。

中途半端なセミロングをばっさり切ってベリーショートで臨んだ面接。
あの球場を走りまわった経験だけを頼りに
「スポーツキャスターになりたいと思います!」
と言い放った覚えがある。
スポーツの知識なんて全然ないのに、あの時の面接官はよくも真面目に聞いてくださったものだ。

しかし、人間には「勢い」というものがあるらしい。
何の迷いもなく突っ走っている人間は時に幸運を掴むこともある…
「赤い服」と黒いブラウスの女は1次面接突破。
続いて2次面接。
「赤い服」と黒いポロシャツ…。

だいたいよくも面接にポロシャツなんぞ着ていったものだ。
これもスポーツウーマンをアピールしたがための
浅はかな技だったわけであるが、
この迫力に押されたか、2次面接突破!

いよいよ役員面接。

時の社長は、民放連の会長も勤めていた大人物。
しかしそんなこともしらない私は終始リラックスしていた。
そして大勢の役員を前にニコニコ笑っていた記憶がある。
笑いながら、「私は絶対にテレビ東京のアナウンサーになれるのだ」と
思っていた。

スゴイなー。
今だったら間違ってもこんなふうに思えないだろう。
だって控え室には、何十人もの美人のライバルがいっぱいから。

この日。
いつもの金ボタンの赤いジャケットに黒い絹のブラウス。
写真がないのが残念だか、ポロシャツからシルクに変えることで、
一応の敬意を表わしたのだと思う…。
(それにしても絹って、やっぱり普通じゃなかったんだと思う)

さて中川社長。
彼は私にこんな質問をした。

「大平さん、あなたは毎回「赤と黒」の服で来ているね。
いままでの面接ビデオを全部見せてもらったが、なかなか面白いねぇ」
「はぁ。」
(うわっ!知らないうちにビデオ回されてたんだ!)
「ところでね、君。そんなに赤と黒が好きなきみに質問があるんだがね…」
(大平、身構える…)
「えっと、『赤と黒』の作者は誰だったかねぇ?」
「ハイ、スタンダールです」
「おっ、さすがだね」ニタッ。

この質問以外覚えていないのだけれど、この時私は、
「さっすが、キー局の社長さんは質問のセンスがあるな」と妙に感心した記憶がある。
ホントに偉そうでしたネ、私。
どうも済みません。(ペコッ)

そして合格通知!
でもテレビ東京首脳陣は偉かった。
私がスポーツキャスターに向いていないことなど百も承知だったのです。
配属されたのは、朝の情報番組。
どう見てもはったりで生きている私の使い道はそこしかなかったのだと思われます!

そしてここで、映画評論家の水野晴郎さんと巡り合うのです…。
(つづく…)

投稿者 M.Ohira : 2005年12月14日 18:24