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2006年01月26日

バブルの女② ベルサーチ or アルマーニ?

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 クローゼットのお掃除をしていたら、またまたバブルの遺産発見!
「赤と黒」のスーツ(真珠のでっかいボタン付き)と真っ赤なブラウス。
どれも「ジャンニ・ベルサーチ」製であった。

本当に昔は「赤と黒」が好きだったんだ、とこれを見てまたまた呆れたが、
この三点も当時よく着た記憶がある・・・

その頃、親しくしていたBOY フレンドは、
「ベルサーチ」と「アルマーニ」しかオレは着ない!と言う人で、
その人と遊びに行く時は、なぜだか私にもそれを求められた。
今思うとなんで言うことを聞いていたのか不思議だが、
今なら絶対!買わない・・・

しかも当時のベルサーチはとんでもない値段で、
現在私が買っているスーツの何着分もしたと思う・・・。
あーぁ、私の両親が未だに私の服道楽を嘆くことがある。
「まさみが服を買わずに、そのお金を貯めていれば・・・」

でもアルマーニは買わなかった。
バブルの頃のアルマーニは最近のとはちょっと違って、
アースカラーのような微妙な色が多いうえ、素材がテレンと柔らかかった。
だから、どんなに勧められようと、こちらは手が伸びなかった。

何度、渋谷西武のアルマーニに行かされたかわからない!
しかし今、色の勉強をして思うのは、
あの微妙な色合いは、私をもっとも老けさせる色だったので、
どんなに言われても受けつけなかったのは正解だったのである。
(今のアルマーニは素敵です!)

でもboy friend は本当に着道楽な人だった。
「ベルサーチ」・「ソニア・リキエル」・「ミッソーニ」という超ブランド店の人達が、
外商と称して、彼のおウチに大量の洋服を運び込んで、
彼はそこでお買い物してたもんな~。

よく営業時間外に店舗を独占してお買い物する人もいたけど、
自分の家に、似合いそうな服を大量に持ちこませて
お買い物する人はあんまりいなかったのではないかと、思う。

私はそういうのが面白かったので、
時々見学させてもらっていた。

そうそう、靴はなぜだか「オペルカ」が大好きな人で
それはプレゼントしてもらった記憶がある。
「オペルカ」って今でもあるのかなー。

青山のオペルカは外商ではなく自分で行ってたみたいだけど、
それはもう、気持ち良いほどのまとめ買いをされていました。

でも、服って本当に流行ものだから年月が経つと着られませんね。
私の賢い友人は当時言っていました。
「バカね、プレゼントは宝石か時計もらわなくっちゃ!
 あんたみたいに服や靴いっぱいもらったって時間がたったら役立たないでしょ!」

まったく、おっしゃる通りでございました。
こうして過去の残照を振り返るだけの「モノ」となった次第です・・・

投稿者 M.Ohira : 11:30

2006年01月15日

バブルの女① それは金色?銀色?

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 時はバブル。

私達局アナは連日局内パーティや近くのホテルのパーティに
産直アナとして呼ばれて出席していた。
(この年採用されたほとんどが地方局アナ出身者だったため、こう呼ばれた)
なんだかよくワカラナイうちに渦に巻き込まれていたが、
今になって考えてみると、無料のパーティ・コンパニオンだったのではないか…

 しかし有頂天になって参加している私もアホだった。

髪をセシル風に切っていたので、
制作会社の社長さんやプロデューサーから「浜美枝」に似ている、だとか、
「ライザ・ミネリ」のようだ!と言ってくれる人がいていい気になっていた。
なかには「由美かおり」似だねと摺りよって来る人もいたけれど、
サバサバと振る舞っていた。

でもサバサバしすぎていて
「大平にもうちょっと色気と野心があれば大成するのに~」と進言してくれる人もいたが、
結構、この浮かれた状態を楽しんでいた。

今にして考えてみれば、20代の私が「浜美枝」さんに似ていると言われて
喜んでいたこと事態、もうアホだったではないか!
あげくのはてに、我々はパーティで必ずステージ上で自己紹介させられていて、
洗脳状態の私は、
「浜美枝とライザ・ミネリを足して2で割った大平雅美です!」と挨拶していた。
もう穴があったら入りたいとはこのことだ。

そして、そういった数々のパーティで履いていたのが、
この「金の靴」「銀の靴」!!!

なんとまぁ、とんがった形の8cmヒール。
これをとっかえ、ひっかえ日常的に履いていたのだから、
やっぱりどうにかしていた。

実はこの靴、昨日の新年大掃除dayで、
14,5年ぶりにクローゼットの奥も奥、奥深くから見つかった。
もうこんな靴のことなど遥か昔の忘却のかなた、だったから
思わず今日は写真を撮ってしまった。

しかしながら、なんとも金色の色褪せないこと!
もちろん金箔など張ってあるわけではないが、今でもキラキラしている。
さすがgold!
同時に見つかったシルバーのバッグは、茶色に変色していた。

でもこんなに長い年月がたって、「金・銀靴」の封印が解かれたということは・・・、
つまりは近頃のエコノミストが盛んに言っているようにやはり、やはり、
「バブルの扉」が開かれたのではないか…
(相変わらず大袈裟な人・・・)

でもね~真面目な話、こんな靴はいて浮かれてたかと思うと
何だか呆れますナァ…

あぁ、あの頃、
いろいろな意味でもっと賢い女だったらよかった、
と少しばかり反省した今日でした。

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しかし、過去に浸っている場合ではない!
実はこのブログは、社長のイワキさんが、
「大平さんが色の不思議をもっと広めると良い」と思ってわざわざ開設してくれたものだ。
しかしながら、すでにこのブログは私の20代の懺悔コーナーになっているではないか!

と、反省したので少々金色の話。

●金色のチカラ●
「Good as gold」-人を許すゆとり・とても親切
          (つまりこんなブログを書いている私を許すイワキさんのような人のことです)
「輝くものすべてが金とは限らない」-つまり金メッキ、にせものもあるということ。
「エルドラド(黄金郷)」-めざせ!理想郷。でもプロセスが大事です。
「ゴールデン・モーメント」-絶好の機会 (今年こそ!by masami )
「錬金術」-価値がないものを価値あるものに変える。
「マイダス」-手に触れるものすべてを金に変えたギリシャ神話の王
        自分の娘すら金にかえてしまった!権力者の悲哀。
「金本位制」-永遠の価値
「金の卵」-得がたいもの、希少価値があるもの
「金の指輪」-責任の交換

もうこれくらいでイイでしょうか、イワキさん・・・
そうだ、もうひとつ!
「沈黙は金なり」… (バブルの女はつづく)

投稿者 M.Ohira : 13:53

2006年01月08日

赤い服のチカラ ー挫折編ー

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 もういい加減「赤い服」シリーズも止めなければと思いつつ止められないこのシツコサ!
でも良いことじゃないことも残しておかなければ…

 入社してすぐ研修が始まった。
もうエネルギー満載で何かに挑戦する必要がない訳だから、
赤い服を着て局に行くのは止めていた。
すると、まだまだ本物の成功ではなかった私に次々に試練が!

●アナ研修・三重苦物語・・・
①アクセント
②鼻濁音
③母音の無声化

以上がその当時絶対必要といわれた良いアナウンサーの条件。
なんと私はその時点で3年半のアナ経験があったにもかかわらず、
全部出来ていないと上司からのご指摘。
このときのショックはどう表現してよいかわからなし、今思い出しても悲しくなる。
しかも言語表現は生後何ヶ月で獲得し、その後ずっとほぼ同じ発声・発音を
繰り返すわけだから、そうそう簡単には直せない。

しかも母音の無声化って何よ、といった具合にそれがどういったものなのかも
よく知らなかった。
(でも悲しいかな、西日本生れの人は生来できていない可能性が高い。)
例えば「菊」「薬」「です」・・・
「kiku」「kusuri」「desu」
これらの言葉は、様々な条件が重なり合ったときにそうなるものだが、
母音の「i」「u」を発音しない。
そして何と言ってもいちばん私にとって難しかったのが「キツツキ」。
こんなふうに「ツツ」と重なると本当に発音がもたもたする。
実生活ではキツツキなどほとんど見ることもニュースになることもないが、
研修では何度、「キツツキ」「キツツキ」と繰り返させられたかわからない。

おかげさまで今ではちゃんとできるようになりましたが、
こればかりは、親を恨む訳にもいかず、
かといって自分の努力不足という訳でもなかったけれど、
大変なコンプレックスだった。

という訳で、肌身離さず持っていたのが、写真の「アクセント辞典」。
今でも上記の3つが不安な私は、ナレーションの仕事の時は必ず持っていきます。

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●研修トピックス
最年長の男性アナウンサーが私に言ってくれた言葉が
今も心に残っています。

なかなか研修で成果が見られなかった私。能天気な私ですら、
落ち込む日々。そんな時こんな風な言葉をかけてくれたのです。

(研修を受けていた3人の女性を建物になぞらえて評価して・・・)
「Aさんは、品良くまとまった日本家屋のよう・・・。Bさんは軽やかな洋風建築・・・、そして、
 大平くん。大平君はね、ボクは思うんだけれど君にはね、ある意味すごく可能性を感じるんだよ。
 その~ね、研修は大変だったかもしれないけれど、他の2人のようにすでに出来あがって
 いるものではなくて、そうだな、
 大きなビルが建つかもしれない、イヤどんな建物になるかもしれない土台のようなものかな、
 そう、そうね大きくなるかもしれない土台の状態かな。」

 リアルタイムでは、この時確かすごく複雑な気持ちだったと記憶している。
それはなぜかと言うと、「現在進行形では使い物にならない」
と言われていると同じだと思ったから。
複雑な表情をしていると、Aさんが私に「オオヒラちゃんがうらやましい・・・。私はいつも
ああいうふうに評価される。これ以上いけないのかな、と思っちゃう・・・」

いつも惨めに叱られていた私なのに、「う・ら・や・ま・し・い?」
人間の気持ちって複雑で難しい・・・

でも私はこの上司の一言で浮上した!(やはり単純なオンナなのです)
土台でも基礎工事でも良いではないか。自分の思いどおりに建物を建てよう、と。

時はバブル。

ただ土台のみを引っさげて渦のなかに突入していった。
(つづく…)

 

投稿者 M.Ohira : 14:28